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00 : ギャルゲ塗り編

「ギャルゲ塗り」に近い塗り方をしたいと思います。
「ギャルゲ塗り」はアニメ塗りっぽく塗ったあと影の境目をかなりぼかし、 プラスしていろいろ加工で効果付け加えたようなカンジの塗りのことらしいです。

今回の工程ではAzPainter1でもAzPainter2でもどちらでもできると思いますが、若干AzP2のがやりやすいかもしれません。
画像は全てAzPainter2のものです。

【今回の使用ブラシツール】
「鉛筆」・「ペン」・「ペン2」(AzP1だと「アンチエイリアスペン」)、「ブラシ」。


■ 2010年12月23日追記
「肌の塗り補足(女の子編)」を追加しました。
全体的に文章を見直し・差し替え・修正を行いました。


色作り・色の調整
肌塗り・体の影置き作業
肌の塗り補足(女の子編)
髪の毛の塗り
頬を染める
人物塗り完成
加工の準備
加工作業1
線画の色変更
加工作業2
グロー効果
完成

01 : 色作り・色の調整

パーツ分けまで済んだデータを用意します。

色作り&調整のやり方はよく使う基本機能説明よく使う機能まとめを参考にしてください。

アニメ塗り編同様、色作り・色の調整には「鉛筆」ツールを使い、影になる部分に影の色を置いていきます。

色を調整する
鉛筆ツールで影を置いただけの状態。

ギャルゲ塗りの肌の色は少し華やかな色にしたほうがそれっぽい気がします。

02 : 肌塗り・体の影置き作業

塗り
やはり作業しやすい頭部から実際に塗っていきます。

アニメ塗りのように影を置いた後、境界線を「ブラシ」ツールでぼかしていきます。
色の境目はアニメ塗りよりかなり大きめにぼかします。
ブラシのサイズを大きめにしたり、濃度を下げてみたりして、綺麗なグラデーションができるように 頑張ります。
影の色で塗ったり、塗りすぎたらベースの色で削ったりを繰り返します。
全部をぼかしまくるとメリハリがなくなるので、適度にぼかしたりぼかさなかったりする部分を作ると それらしく見える気がします。

影の部分を新しいレイヤで作る方は、濃度の低い「消しゴム(ブラシ)」で影部分を削っていく やりかたも綺麗にできるかもしれません。

AzPはとても広い範囲を塗りだけで綺麗にグラデーションさせるのはあまり得意ではない気がします。

肌の塗り完了
肌の塗りを先にある程度終わらせてしまいました。

体の影置き
他の部分も影を全体的においていきます。 影を付ける→ぼかすの繰り返しです。

04 : 肌の塗り補足(女の子編)

補足として、女の子で塗りなおしたものがあるので、これで再説明します。

絵
こちらの画像で説明します。

クリックで拡大
全体図です。クリックで拡大表示されます。

今回使ったブラシの設定画像を以下にあげていきます。
説明のために仮に番号をふります。

ブラシ1
ブラシ1

ブラシ1。濃度255のブラシです。
下塗りや濃く色をのせたい場所に使います。

ブラシ2
ブラシ2

ブラシ2。濃度100のブラシです。
主にブラデーションのかかったような感じにしたい時、色をぼかしたい時に使います。
ギャルゲ塗り風をやすときはメインで使っています。

ブラシ3
ブラシ3

ブラシ3。濃度30のブラシです。
2より薄く色をのせたいときに使います。

基本的にこの3種類のブラシ設定を使って、こまかい所は濃度をいじって微調整しています。

下塗り(パーツ分け)
下塗り(パーツわけ)

まずはパーツわけされた状態。
肌の基本になる色で塗りつぶしてあります。

影を置く
影を置く

影になる色を適当におきます。
今回はわかりやすいように鉛筆ツールでハッキリおきました。

ぼかす
境目をブラシ2でぼかします

影の色の境目を、ブラシ2でぼかします。
描画色は影の色と同じです。
塗りすぎたところは、下地の色に切り替えて削ったりします。

赤みを入れる
ブラシ2と3で赤みを入れる

ブラシ2と3を併用して、影の色よりも少し赤みがかった色で肌をほんの少しだけ赤くします。

ハイライトを入れる
ブラシ3でハイライトを入れる

頬のところに下地の色より薄い色で、ブラシ3でハイライトを軽く入れます。

微調整
微調整

ブラシ2と3で微調整します。

濃い影を入れる
ブラシ1と2で濃い影を入れる ブラシ1と2を併用して濃い色で影を入れます。
これで肌の塗りは完成です。

他の部分もだいたい同じような感じで、 ブラシ1は描画色をそのままのせたい時、 ブラシ2は色をぼかしたいとき、 ブラシ3は薄く色をのせたいとき、 というかんじで使い分けながら塗っています。

04 : 髪の毛の塗り

髪の毛の塗り
髪の毛の塗りに入ります。まずある程度の色をつけました。

新規レイヤ
新規レイヤ作成。

グラデーションは、このまま同じレイヤで塗り込むと修正したいときにつらくなるので、 上に新規レイヤを作って影を塗り込むことにしました。
はみ出し
レイヤが変わると当然不透明部分の保護がないのではみ出します。

はみ出しの処理
はみ出しが邪魔なので消そうと思います。

「フィルタ」→「アルファ操作」→「他のレイヤと操作」を選びます。

はみ出しの処理
「対象レイヤ」で適用したいレイヤ情報のあるレイヤを選びます。

この場合だと髪の下塗りした「髪」レイヤです。
「対象レイヤで透明な部分は透明に」を選んでOKを押します。

はみ出しの処理
そうするとはみ出していた部分が綺麗に切り取られます。

「AzPainter1」のほうはこのアルファ操作が一つ下のレイヤしか選べません。
アルファ操作したいレイヤを対象レイヤの1つ上に移動させてから 「フィルタ」→「アルファ操作」→「下のレイヤで透明な部分は透明に」を選ぶと、 同じようにはみ出しを綺麗にすることができます。

ハイライト
ギャルゲということで覆い焼きでハイライトを描くことにします。

覆い焼きモード
レイヤウインドウの左上のプルダウンメニューから「覆い焼き」を選んでください。

ハイライト
心の赴くままハイライトを入れます。

覆い焼きは使うと光って画面が華やかになります。
覆い焼きは使う色によってすぐ色味が変わってしまうモードです。
今回は濃い朱色を使いました。

でも難しいので私はあまり使っていません。

05 : 頬を染める

頬を染めよう
ギャルゲといえば頬を染めた女の子。

というわけで男キャラですが頬でも染めさせようと思います。
頬染め用に新規レイヤを作ります。

頬塗り
新規レイヤにテキトウに朱色で塗ります。

乗算レイヤ
そのレイヤを「乗算」モードに変えます。

不透明度調整
レイヤの不透明度を見た目的に違和感が出ないように調整します。

ハイライト
ちょこっとハイライトでもつければそれっぽく。

06 : 人物塗り完成

人物部分完了
人物の塗りが完了しました。

レイヤ構成と使った色は画像の通りです。

人物部分完了
全体図です。クリックで原寸サイズ表示。

06 : 加工の準備

加工する準備の為にまずはある程度レイヤは統合してしまいます。

レイヤの統合
レイヤメニューに統合メニューがあります。

希望の統合メニューがない場合は手動で統合していきます。

レイヤの統合
加工する準備の為にまずはある程度レイヤは統合してしまいます。

手動で統合する時は、上から下に統合します。
レイヤのモードが違う部分を統合する時は統合した時に汚くなってしまう事が あるので統合する順番を工夫する必要があります。

レイヤの統合
先に「乗算」モードの頬染めのレイヤを下の肌レイヤと統合します。

通常以外のモードのレイヤを通常レイヤに統合を先にしておかないと汚くなります。
通常レイヤ→通常以外のレイヤにすると、すべて通常以外の表示に切り替わってしまいます。
先に通常レイヤに統合する事で、汚くなってしまわずに統合することができます。

コピーを取っておく
加工するときはなんでもレイヤのコピーをとっておくといいです。

選択範囲等用
アルファ操作用のレイヤも作ります。

個人的に加工したり切り取りや選択範囲等用のレイヤを作る事があります。
キャラ全体を選択できるレイヤや、それにプラスして線画まで選択できる レイヤを作っておくと加工に便利かもしれません。

混乱しないように
コピーしたレイヤやアルファ操作用に作ったレイヤは 混乱しないようにわかる場所においておきます。

07 : 加工作業1

綺麗にする
髪の毛のハイライトを入れたときの処理が汚いままでした。

綺麗にする
アルファ操作ではみ出した部分を切り取ります。

別途にアルファ操作用に作ったレイヤを使います。
この場合、線画にも覆い焼きの効果を乗せたいので、切り取りに使う選択レイヤは、線画も含めた キャラ全体のレイヤを使います。

切り取り後
だいたい切り取れました。

「透明な部分を透明に」の機能は、切り取り時に半透明な部分も「不透明部分」として 扱うのでこのように汚くなります。

切り取り後の処理
アルファ操作で目立たなくさせます。

「対象レイヤの値を掛ける」を選びます。
これは対象レイヤのα値(どのくらい半透明かの値)を現在のレイヤに掛け算する 操作です。

切り取り後の処理
だいぶ目立たなくなりました。

背景と合わせた時にまだ汚いのが目立つようなら、手動で消しゴムで削る等して綺麗にします。

08 : 線画の色変更

線画の色が黒のままだと色がきついので、変更しようと思います。

線画の色変更
「フィルタ」→「カラー」で色がいじれます。

今回は「RGB補正」でいじろうと思います。
失敗した時に戻せなくなると困るので、コピーしたレイヤを使います。

線画の色変更
「R」(赤)「G」(緑)「B」(青)の数字をいじります。

右に動かすと鮮やかに、左に動かすと暗くなります。

線画の色変更
Rを75、Gを0、Bを20にしてみました。

線画の色変更
メガネの色も変更しました。

プレビューされるので見ながら数値を調整します。
メガネは青の値を少し大きめにして、青っぽくしました。

09 : 加工作業2

色をいじっていくと、以前調整した部分のバランスが悪くなることがあるので、全体図を 見ながら再調整していきます。

再調整
髪の毛のハイライトが少しきつかったので少し描き加え、レイヤの不透明度をさげました。

同じレイヤの右腕部分にもかるく描き加え、光が軽くあたっているっぽくしました。

これでだいたいの調整が終わりました。

10 : グロー効果

アニメやギャルゲーでよく使われるという「グロー効果」を入れてみようと思います。
これは画面全体やキャラに光が当たってるような効果を簡単に入れる事が出来る加工で、 綺麗に見えるのでよく使われてるらしいです。

グロー
AzPainter2に「グロー」機能が追加されました。

「フィルタ」→「効果」→「グロー」で一発で簡単にグロー効果をかけられます。
デフォルト状態は、以下に説明する手動グロー効果の、レイヤ不透明度100%の状態とほぼ変わらない 状態でかかるようです。
光が強すぎたり弱過ぎたりする場合がありますので、調整する必要があります。
以下に手動でグローをかける時の説明を載せておきます。

グロー効果の準備
グロー効果を入れる為に透明部分のない完成レイヤを用意します。

キャラの外側の白い部分はグローをかける時に重要なので、不透明部分は白にしておくほうがいいと思います。

グロー効果の準備
今回は背景がないので、キャラの周りは白で塗りつぶした状態にします。

統合レイヤを作ったら、レイヤをコピーします。
上に表示されるレイヤを加工していきます。

グロー効果
加工。

「フィルタ」→「カラー」→「レベル補正」を選びます。

レベル補正
レベル補正をかけます

「レベル補正」で△の印を右のほうに思い切ってもっていきます。 私は図くらいの位置まで△をもっていっています。

スクリーンモードに
レイヤのモードを変更

レイヤを「スクリーン」に変更します。 ガウスぼかし
ガウスぼかしを選ぶ

「フィルタ」→「ぼかし」→「ガウスぼかし」を選びます。

ガウスぼかし
ガウスぼかしをかけます

「ガウスぼかし」は「5」でかけます。
ちなみに「ガウスぼかし」の数字に困ったらとりあえず「5」でかけとけばOKってくらい、 ガウスぼかしの5はよく使います。

グロー効果
これで光が当たったような効果が入りました。

AzPainter2の「グロー」機能のデフォルトはここまでの状態です。

グロー効果
光の強さは不透明度をテキトウにいじって調節してください。 たいていは光が強すぎるので、不透明度を下げて調整します。

11 : 完成

レイヤ構成
最終的なレイヤ構成はこんなかんじです。

「背景(白)」より下は全て完成品には影響していません(削除OK)。

加工済み完了
全体図です。クリックで原寸サイズ表示。

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